『謎×カフェ』〜継続的に集客する仕掛けづくり養成講座〜

 『謎×カフェ』〜継続的に集客する仕掛けづくり養成講座〜を開催するにあたり、常設型謎解きカフェの仕掛人であるGainJapanの宮脇氏と実際にカフェで謎解きを提供しているカフェギャラリー茶蔵の片桐オーナーのお二方による対談をして頂きました。(2014年6月28日(土)市内某カフェにて)

ゲスト紹介
カフェギャラリー茶蔵 オーナー 片桐峯子(コミュニティマネージャー)

 千葉県出身 岡山県人歴30年、パッチワークキルト講師歴20年、剣道初段、カフェギャラリー茶蔵オーナー。
 2010年・・・ツイッターで有志が集まり、茶蔵は「はやぶさ上映実行委員会事務局」10名ほどのメンバーと7月から10月まで3ヶ月間、児童会館プラネタリウム(旧岡山県立児童会館)で「はやぶさ」を上映。15,000人の集客となり、閉館予定だった児童会館は存続に繋がった(現「人と科学の未来館サイピア」)。民間人の有志で上映したのは全国でも岡山の私たちだけという快挙を達成。
 また岡山商工会議所にてfacebook活用セミナーの講師として登壇するなど、湯原温泉エリアでのセミナー、岡山市内3ヶ所、総社市、瀬戸内市、和気でのfacebook勉強会でのレクチャーなど。各地で開催される勉強会、交流会などのコミュニティ形成のサポートを行っており、岡山の活性化に貢献している。

一般社団法人GainJapan 代表理事 宮脇信行(コミュニティマネージャー)

 学生時代より岡山県を紹介するイベントを企画運営。ただ単に観光地を案内するこれまでの観光スタイルに疑問を投げかけ、遊びと融合した楽しい観光を提唱。

 2012年9月より、ねじ販売会社である三協鋲螺の代表取締役 CEO に就任。

 ファスニングコンサルタントとしてねじを使って物を繋いでいるだけに飽き足らず、あらたに人や物や地域を繋ぐビジネスを企画。「地域活性化、人と地域を繋いで未来を創造する」をテーマに新しい遊びを提案する一般社団法人GainJapan を 2014年4月に設立、代表理事となる。

『謎×カフェ』〜継続的に集客する仕掛けづくり養成講座〜開講の経緯とは?

---- 今回『謎×カフェ』〜継続的に集客する仕掛けづくり養成講座〜と題しまして、カフェを繁盛店にするノウハウを提供するとのことですが、その経緯をお聞かせ頂けますか?

その前に、『謎×カフェ』というネーミングの由来をお話しします。『謎×カフェ(なぞっくすかふぇ)』ネーミングは、「謎解き」×「街歩き」×「SNS」という要素をミックスした“カフェ”を意味しています。ソーシャルメディアを使った集客から謎解きイベントの運営までの全てをコーディネートし、地域との連携を図りながら、地域、お客さん、カフェが共に発展していくというイメージです。ですから、単にカフェだけが儲かるという仕組みを提供する訳ではないのです。地域と一体になって…というところを大切にしています。

私が西大寺に茶蔵をオープンしたのは、2003年11月で……オープン当初は売上もそこそこあったのですが、2年目から落ち込んだんです。そこで公民館内へ2店舗目を出店し2年半頑張った…ですが、地元の人はランチにお金を使わないことが分かった。また緑化フェアなどのイベントが開催されると一時的に売上はあがるのですが、イベントが終わるとまた元通り…結局、日々のお客様を増やすことが、一番良いことが分かった…当たり前のことですけど。しかし、茶蔵は一般的なカフェと違い、オープン当初から近所の常連さんが少ない店で、当時から遠方から来て頂くお客さんが多く、パッチワーク(片桐さんが講師を務める別事業)関連の友人も備前や岡山市街から来てくれていたんです。そこからの口コミが集客の大半だった。そんな関係で新聞などからの取材を受けることはちょくちょくありましたね。

そうですよね。茶蔵の立地条件はごく普通にカフェとして営業するのであればかなり厳しい。公共交通が発達していないエリア、駐車場が無い、近所に企業がないのでランチのニーズも無い…そんな状況で日々のお客様を増やすことが必要になったんだよね。

そうそう。それでも7年はそんなこんなで頑張ってきた。転機が訪れたのは2010年からTwitterやFacebookを始めてからですね。パソコンなんて全くの素人だったので、パソコン教室に通いながらだよ、何とか自分で情報を発信できるようになったのは!
 でも、これをキッカケに外部の人とコミュニケーションを取ることを積極的に始めたんです。その関係で「はやぶさ」のプロジェクト(映画『はやぶさ/HAYABUSA』を岡山で自主上映するための有志の集まり)が立ち上がり、面識の無い方がいっぱい集まって来て人の繋がりが広がったんだよね。

お客様が増える要因はSNSの活用。ブレイクスルーとなったポイントとは?

---- 茶蔵の客層も変わってきた?

そう。パッチワークや昔からの友人以外の新しい繋がりの人達。 実際、プロジェクトの打合せの場所として茶蔵が拠点になったので…。それに、これが大切だと思うのだけど、プロジェクトのメンバーって、目的に向かって同じ思いを共有するんですよね。そのことがみんな楽しかったんだと思う。人ってやっぱり楽しいことや笑顔に寄ってくるじゃない。

なるほど、そうだよね。そのキッカケがSNSの繋がりだった訳だよね。

SNSの繋がりで広がる色んな人とのコミュニケーションが楽しかったんです。だからSNSを使える人を増やしたかったし…。その思いが茶蔵で開催していたFacebook勉強会になった(延べ2,100人が参加)。後々考えると、この勉強会がとても重要な集まりとなっていて、バーチャルの繋がりではあるんですけど友達が増えるのはリアルからだということを再認識するキッカケになったんです。
 この頃は茶蔵の売り上げをアップしようという気持ちは全くなかった。なので会費も安く設定していたし…。でも結果、岡山のFacebookユーザーが急速に増えて、他県より多いことが東京で認知されたんです。当時はなぜ岡山?って言われてた!

SNSの利用者が増えると、みんなが繋がりたくなるよね。みんな茶蔵の応援団になった。こぞってチェックインしてランチの画像をアップしているよね。

ほんと嬉しいことなんだけれど、今ではFacebook友達の友達…私は知らない人も茶蔵のランチが食べたいって投稿してくれるんです。

---- カフェがSNSを活用することのポイントの様なものが見えてきましたが、従来ネットの集客で注目されていたフラッシュマーケティング的な手法とは全く違いますよね。

そうです。結局のところクーポンなどのセールスプロモーションは一時的な売上アップにしか繋がりません。よっぽど顧客管理の仕組みを作って運営しないと、固定客やロイヤルカスタマー、さらにはエバンジェリスト(伝道者)にはなってもらえません。結局、金銭的なメリットで購買を決定する方は、やはり浮気をするのです。

だからこそSNSの有効な使い方をみなさんに知って頂きたいですね。先に利益を求めたら失敗します。

「謎解き」がカフェに与えた好影響とは?

---- なるほど。では「謎解き」は茶蔵にとってどんな要素なのでしょう?

世界初の常設・謎解きカフェとして脱出ゲームの提供を開始したのは2012年からですが、それ以来、多くの方に楽しんで頂いていますね。

それこそ、謎解きも新しいお客様との出会いを作ってくれるんですよ。びっくりするのは、愛好家が全国からお越しになり、チャレンジしてくれることです。出張中にチャレンジする強者ビジネスマンとか(笑)…。

あ〜そういう方は、GainJapanの他のイベントにもお見えになるよ!もう顔見知りの方もいらっしゃる(笑)。謎解きや宝探しゲームってコアなユーザーが多いんですよ。

脱出ゲームに参加される方は、茶蔵で1時間ゆっくりと過ごして頂けます。もちろん参加者の頭の中は時間との戦いでゆっくりなんて感じてないと思いますけど…。

雰囲気の良いカフェで美味しいランチを食べながら、好きな謎解きができるって、愛好家にはとても嬉しい時間だよね。休日の過ごし方としては、とっても良い過ごし方だと思う。

---- 謎解きを行うことで、新しい客層が開拓できたことはわかりました。他に何か変化はありますか?

謎解きに来られたお客様以外にも、どうですかってお勧めすると思っていた以上にチャレンジしてくれる。やはりお客様も珍しいので興味があるみたい。それに謎解きを提供しているということで色んなメディアで話題になった。事前にゲームにチャレンジして脱出に成功してから取材に来た新聞記者もいた。ある意味プロだよね(笑)。

取材に来る記者が自らチャレンジしてくれるのは嬉しいですね。今は、ブームということもあり取材も入りやすいと思いますが、これをブームだけに終わらせないようにしなければなりません。GainJapanはその辺りのことも考えています。

謎解きの愛好家が全国から来てくれるのだけど、取材が入った後には、やはり地元の方が来てくれた。もっと地元の方への認知が促進されれば参加者は増えると思う。

そうなんですよ。岡山を含め地方は、まだ東京・大阪に比べ謎解きのブームが浸透していない。実際地方都市で謎解きを提供している団体もほとんどないし、公演する「場」も少ない。大きな会場を借りると地方都市では集客の問題があり採算が合わない。だからこそ、茶蔵の様なカフェが謎解きカフェとして最適なんです。

---- なるほど。では地方都市で謎解きを展開する上でカフェとのコラボするメリットはそのあたりにあるのですね。

もちろん、その部分はGainJapanの立場からの思いで、実際にはそれだけではないです。さらに重要なこともあるのです。

地元との関係ですよね。

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